発見しにくい病気でも、気づくきっかけはある

甲状腺の病気は、自分ではなかなか見つけにくく、ほかの病気とまちがえやすい病気です。
それでも多くの人が、甲状腺の病気に気づいて、病院を訪れています。
甲状腺の病気は、早く受診して適切な診断を受け、早く治療を始めれば始めるほどよい経過が得られることは言うまでもありません。
どんなことが受診のきっかけになるか、見てみましょう。多いのは次のようなケースです。

●首のはれに気づく

首の前部のはれに、自分で気づく場合もあれば、ほかの人に指摘されて気づくこともあります。
いずれにしても、この特有の症状は、甲状腺の病気の徴候としてよく知られていますので、受診の大きなきっかけになります。

●疑わしい症状がある

甲状腺機能の亢進(こうしん)や低下によって、さまざまな症状があらわれます。ほかの病気とまぎらわしい症状も多いのですが、はっきりしない場合は、まず甲状腺の病気を疑い、専門医に診てもらうことが大切です。

●眼球が突出してきたと感じる

眼球突出はバセドウ病の代表的な症状ですが、あらわれる人はまれです。ただし、よく知られている症状のため、顔つきが変わり、目が飛び出してきたと自分で感じ、甲状腺の専門医を受診するケースがときどき見られます。

●健診や人間ドックで指摘されて

健康診断や地域の集団検診で、首のはれが見つかることがあります。気がつかない程度の小さなはれでも、医師が触診(しょくしん)するとわかるからです。
また、通常の健康診断の項目にはないのですが、人間ドックなどで甲状腺ホルモン検査(血液検査)を受けて、甲状腺機能の異常が見つかることもあります。
こういった場合は、あらためて専門医を受診することがすすめられます。

MEMO

  • のどに痛みがあるときは?

    のどが痛い、のどが詰まる感じがする、のどに圧迫感がある、などの症状から甲状腺の病気を疑う人がいます。
    たしかに、亜急(あきゆう)性甲状腺炎では甲状腺の一部が痛んだり高熱が出ます。また、甲状腺にできたしこり(甲状腺腫)が大きくなると、のどに圧迫感があります。
    しかし、甲状腺の病気では、のどに異変があってもそれが即、甲状腺の病気だとは考えないほうがよいでしょう。

医療法人社団金地病院