機能が亢進しているときは激しい運動を避ける

甲状腺機能が亢進しているときには、バセドウ病の人は運動どころではありません。
体を動かしていなくても、心臓はドキドキして脈も速く、まるで全身が運動をしているような状態になります。筋力も低下します。
このようなときには、体に負担をかけずに休むようにします。激しい運動や、肉体労働は避けます。
しかし、安静が必要といっても、家事など日常の軽い作業は、体調が良ければ自分のペースでつづけてかまいません。日常のリズムを変えないことが、養生生活では大切なことです。

運動再開の目安は治療を始めて2~3カ月後

運動は、甲状腺機能が正常になれば再開できます。回復状態は人によって差がありますが、抗甲状腺薬の服用を始めると、大体2カ月ほどで、甲状腺機能は正常な範囲になります。この状態になると、日常生活は不自由なくなります。ただし、バセドウ病が治ったわけではありません。様子を見て、甲状腺機能が正常な状態を維持できていて、体力が戻ってきたら、徐々に軽い運動から始めてください。

運動を再開するときの注意

  • バセドウ病では、筋力が衰えます。体力も弱っていますので、発病前と同じレベルの動きは、すぐにはできません。あせりは禁物です。
  • いきなり、スキーやテニスなどの激しい運動をすると、足腰を痛めることがあります。

MEMO

  • 旅行のときも薬は忘れずに

    甲状腺ホルモンの状態が安定していれば、国内はもちろん、海外旅行にも出かけてさしつかえありません。ただし、薬は必ず持参し、毎日忘れずに服用してください。

MEMO

  • バセドウ病の子どもの運動

    子どもの場合も、甲状腺機能が亢進している間は、体育の授業や運動部の活動は休むようにします。運動を再開する時期は、医師とよく相談してください。

  • 橋本病の人の運動

    橋本病では、運動面での制限はありません。活力がなくなり、体を動かすのもおっくうになる病気ですから、掃除をするなど、意識して体を動かすようにします。散歩やサイクリングといった、軽い有酸素運動もよいでしょう。旅行にも、積極的に出かけてください。

医療法人社団金地病院