医師インタビュー 外科部長 | 福森 龍也 (ふくもり たつや)
甲状腺専門医の道に進まれたきっかけ
私は昭和63年に東北大を卒業して、地域の中核病院で外科研修を3年やってから当時の東北大学第二外科に入局しました。丁度生体肝移植の黎明期であり、東北大でも我が国4例目を成功させた後でした。私も最先端の医療に憧れ、移植・甲状腺グループに所属することにしました。後に筑波大学の消化器外科教授を務められた大河内先生の指導の下、移植臓器の保存に関する研究で学位を取得しました。大学を離れた後も、旧仙台社会保険病院では腎不全外科に携わり腎移植も行いました。しかし移植医療はまだ日常的に行われる医療ではなかったので、大学での一般外来の診療は甲状腺グループとして活動していました。東北大学第二外科は日本の甲状腺外科を牽引してきた長い歴史があり、必然的に多くのことを教わり、大学のみならず一般病院でも甲状腺の診療にあたっていました。
親が高齢となってきたため東京に戻る決断をした際に、縁があって金地病院に入職することとなりました。その機会に消化器外科医はやめて、2010年より甲状腺診療に専念することとなった次第です。
金地病院はどんな病院?
甲状腺疾患に悩む患者さんを楽にしてあげたいという理念の下、職員皆が同じ方向を向いて努力している病院です。小さな病院なので職種間の連携が密で、医局も外科、内科の壁がなく風通しが良いです。そして何よりも日本トップクラスの豊富な症例を経験することが出来るので、必然的に診療スキルの向上が得られていると思います。専門病院として放射線治療ができるのも大きな特徴であり、放射性ヨウ素内用療法では大学病院その他から多くの患者さんを紹介して頂いています。
日々の診察に向き合う上でのポリシー
甲状腺を含め、内分泌疾患の患者さんとは一生のお付き合いとなることが多いです。患者さんお一人お一人の人生観で治療方針も異なりますので、ガイドラインに従いながらも患者さんの身に寄り添って最善の治療方針を提示したいと思っています。少なくとも笑顔を忘れないよう心がけています。
甲状腺疾患で悩む患者さまにメッセージ
甲状腺癌は予後の良い悪性腫瘍ですが、適切な治療をしないと生活の質を落とすことがあります。良性結節も手術が必要な病態があります。症状がないからといって自己判断で放置せずに、専門医と相談して適切な治療を受けるようにして下さい。