切らずに治療できるエタノール注入療法(PEIT)
2002年から保険適用
エタノール注入療法(PEIT(ペイト))は、もともとは肝臓がんの治療法として普及。2002年からは、甲状腺の良性腫瘍の治療にも健康保険が適用になっています。
手術にかわる新しい選択肢として需要が高まっており、90%以上が嚢胞性であるような場合です。
エタノールが患部を固める
エタノールとはアルコールの一種で、細胞を構成するたんぱく質をすばやく固める化学作用があります。
エタノールが注入された患部では、その分だけが限定的に脱水して固まり、血流障害を起こして組織が壊死(えし)します。
患部は組織が破壊されるので、甲状腺を小さくすることができます。
吸引―注入―排液のプロセス
嚢胞をPEITで治療する場合は、まず細胞を穿刺吸引(せんしきゅういん)して悪性でないことを確認します。そのあと、中の液体を吸引して嚢胞を小さくしてから、超音波(エコー)のガイドの下、エタノールを注入するという簡単なものです。
メリット
- メスを入れないため、手術の傷あとが残りません。
デメリット
- 医師に高度な技術が求められるため、行える病院は限られます。
- 効果は手術ほど確実ではありません。
- PEITができる症例は限られています。
- 反回(はんかい)神経マヒ(嗄声(させい))、疼痛(とうつう)や出血などの副作用があります。
医療法人社団金地病院