甲状腺の病気かなと思ったら、最初から専門医を受診しましょう
甲状腺の病気の治療に専門医が必要な理由
甲状腺の病気は、全身に多彩な症状があらわれるために、誤診(ごしん)されがちです。
疲れやすい、やせてきた、などの症状がひどくなると一般内科を受診したり、もの忘れや、うつのような症状があれば心療内科や精神科へ行ったり……そうして、糖尿病や心臓病、肝臓病、あるいは婦人科疾患、精神疾患などと誤診されてしまうケースが少なくありません。
その結果、原因が甲状腺にあることに長い間気づかないまま、誤った治療をつづけてしまうケースが多いのです。
こういった事態を避けるためにも、疲れやすい、だるいといった漠然とした症状の場合でも、まずは甲状腺の病気を疑い、最初から甲状腺の専門医を受診することをおすすめします。
専門医を受診するメリット
●技量や習熟度
診察にあたって、経験豊富な専門医なら、患者さんの様子を見たり、首のはれを触診(しょくしん)するだけでも、多くの情報を得ることができます。
また、検査結果を的確に判断するためにも、専門家としての技量や習熟度は重要です。
●知識や経験
甲状腺の病気は、肉体面だけでなく精神面にも影響があらわれやすく、治療にも、内科と外科の両面からのアプローチが必要です。専門医なら、臨床経験が豊富で、新しい医療情報にも通じています。
●信頼関係
甲状腺の病気は、ときに10年、20年という長い経過をたどる慢性疾患。こういった病気の治療は、継続性が重要です。1人の医師が経過を観察し、話し合いながら治療していくことで、患者さんとの信頼関係が築けます。
専門医の探し方
甲状腺疾患の専門医は、全国的に見ても多くはありません。
●総合病院では
甲状腺専門医は、内分泌科や内分泌代謝科、あるいは内科や外科に置かれているところもあります。まず、総合案内で相談してもよいでしょう。
●専門病院もある
甲状腺疾患だけを対象にする病院やクリニックですので、ベテランの専門医たちによる総合的な診断・治療が受けられます。専門病院の情報は、「甲状腺専門医」でインターネット検索すると知ることができます。
●紹介状をもらう
人間ドックや集団検診で、甲状腺の異常が見つかった場合は、紹介状を書いてもらえます。また、信頼できる「かかりつけ医」がいる人は、相談して、専門医を紹介してもらうのもよいでしょう。