バセドウ病の人の食事は、3食バランスよく。食べすぎには注意
消費エネルギー以上に食べ太ることがあります
バセドウ病の場合、下痢や糖尿病が合併していなければ、特別な食事療法は必要ありません。
問題になるのは、エネルギー摂取と消費のバランスがくずれる場合です。
バセドウ病では、食欲が非常に旺盛になります。
過剰な甲状腺ホルモンが、たんぱく質や脂質、糖質などの代謝を活発にします。また、エネルギーを激しく消費するため、食事で補給しなければならないのです。
つまり、食欲が旺盛になっても、代謝力が高いため、当初は食べても食べてもやせてきます。
しかし、治療をして甲状腺機能が正常になってくると、激しいエネルギー消費もおさまってきます。ところが食欲は以前と同じく旺盛なため、食欲にまかせ、消費エネルギー以上に食べていれば、当然のことながら太ってきます。
バセドウ病には、やせるという特徴がありますが、飽食の現代では肥満が問題になっています。
特に若い女性で、甲状腺機能亢進の消費エネルギー以上に、1日3食以上食べたり、甘いもの、パン、ジュース、くだものなどを過食している人は、逆に太る傾向が見られます。中には10キロ以上も体重が増える人がいます。
一方、男性やお年寄りには、肥満はほとんど見られません。
バセドウ病の人はこんな食事を心がけて
カロリーコントロール
体重の増加は心臓への負担を増やし、体を支える関節や筋肉にも影響します。肥満がある人は、1日の摂取カロリーを1200~1500キロカロリー以内に抑えるようにし、甘いものは控えるようにします。
栄養はバランスよく
カロリーは抑えても、栄養不足にはならないようにします。主食の穀物はもちろん、おかずもバランスよく。筋力をつけるために、たんぱく質は欠かせません。野菜などから、ビタミン類を補給し、乳製品などからカルシウムもきちんととってください。
朝昼夕、3食きちんと
食事をきちんと管理するためには、朝昼夕の3食を決まった時間に食べるようにするとよいでしょう。生活のリズムもととのってきます。
水分をとる
バセドウ病の人は汗をかきますので、水分補給は十分にしてください。
刺激物は避ける
機能が亢進しているときは、とうがらしなどの刺激物は代謝を高めますので、避けるようにします。
お酒やタバコは避ける
機能が亢進しているとき、お酒は心臓や肝臓に負担をかけるので、よくありません。機能が正常になっても、適量(日本酒で1合程度)にしてください。タバコは、バセドウ病眼症(がんしょう)の発症の危険性が高まり、治療効果を減弱しますので禁煙が必要です。
ヨウ素制限は特にしない
バセドウ病の場合、海藻類(ヨウ素)は適量ならかまいません。くわしくは次の項で述べます。