バセドウ病になった人すべてに、目の症状が出るわけではない

一般的に、バセドウ病というと目が飛び出てくる病気、というイメージがあります。バセドウ病の眼(がん)症状は大きく3種類に分かれますが、重なって出ることもあります。

●眼球突出

バセドウ病の原因である甲状腺を刺激するTRAbが目の奥の筋肉や脂肪に炎症を起こし、はれてくることで、眼球が前に押し出されます。

●上まぶたが下がりにくくなる

甲状腺ホルモンのためにまぶたの筋肉が緊張し、まぶたが上に引きつられ、目が見開いたようになります。
そして、視線を下に向けても、上まぶたが下がらず、黒目の上にも白目が見えます。この状態を、眼球が突出したようにかんちがいする人がいます。

●まぶたがはれる

まぶたの脂肪が増えてしまうために、はれて見えます。

●突出する人は約30%

バセドウ病になったからといって、必ず眼球突出が起こるわけではありません。
はっきりわかるほど突出する人は、10人中3~4人程度にすぎません。また、日本人は欧米人とくらべ、眼球突出の程度は軽い傾向があります。

●禁煙が必要です

喫煙は眼症状を重症化させる原因になります。治療してもなかなかよくならないので、喫煙者はすぐに禁煙することが必要です。

眼球突出が進むと、ときに複視や視力障害をともなうことも

眼球突出が進むと、やっかいな眼症状をともなうことがあります。

●痛みや傷

睡眠時に完全にまぶたが閉じられないことがあり、そのため眼球の角膜や結膜に傷がつきやすく、充血や痛みが出たりします。

●複視(ふくし)

眼球を動かす筋肉(外眼筋(がいがんきん))がはれるため、両眼とも目の動きのバランスが取れず、ものが二重に見えます。

●視力障害

眼球の奥の筋肉や脂肪がはれ、内圧が高くなると、視神経を圧迫して視力障害を起こすことがあります。
※眼症の治療は、眼科医による治療が必要です。

医療法人社団金地病院