体力、年齢、社会的事情などを考慮して選ぶ

バセドウ病の治療は、現在、「薬」「放射性ヨウ素(アイソトープ)」「手術」の3通りの方法が中心になっています。
3つの治療法には、それぞれ長所と短所があり、患者さんによっても向き不向きがあります。
治療は、最初は薬物療法から始めます。薬の副作用や病気の状態により、経過中にほかの治療法も考えますので、医師から十分な説明を受け、自身の年齢や、社会的、身体的な条件なども総合的に考慮しながら判断してください。

3つの治療法の長所と短所

  薬による治療
(抗甲状腺薬の服用)
放射性ヨウ素
(アイソトープ)治療
(放射性ヨウ素のカプセルを服用)
手術による治療
(甲状腺の摘出)
長所 外来通院で治療できる
妊娠・出産、授乳が可能
治療法が簡単
治療が簡単
治療費が安い
再発がない
甲状腺が小さくなる
早期に確実によくなる
甲状腺機能の回復が早い
再発が少ない
大きな甲状腺腫も可能
短所 治療期間が長くなる
副作用がある
再発しやすい
甲状腺機能が低下することがある
眼症状が悪化することがある
特殊な設備が必要
妊婦や授乳中の人はできない
効き方に個人差がある
入院が必要となる
手術の傷あとが残る
医師の技量によって術後の合併症や、治療成績に差が出る
向く人 年齢制限はない
甲状腺のはれが小さな人
薬を規則的に服用できる人
19歳以上の人
薬で治りにくい人
6カ月以内に妊娠の可能性がない人
手術後に再発した人
合併症のある人
若い人から中年者
薬で治りにくい人
甲状腺腫が大きい人
甲状腺腫瘍を合併している人
薬の副作用がある人
社会的事情があり早期に治したい人
向かない人 薬の副作用が出る人
きちんと服用しても、効果があらわれない人
妊娠中、あるいは近い将来に妊娠を希望している人
現在、授乳中の人
甲状腺機能がまだ高い人
重症の合併症がある人
医療法人社団金地病院